【第51回】「幸せってなんだろう?」
- 須田 華
- 2020年6月19日
- 読了時間: 8分
更新日:2021年6月22日
オンライン「かんがえるカフェ」を6月15日(月)に行いました!
6名の方にご参加いただき、オンライン上に2つの場を設けての開催となりました。
テーマは「幸せってなんだろう?」です。
一見、とても抽象的で哲学的で難しそうに感じていましたが、蓋を開けてみると皆さんの日常生活から来る「幸せ観」がたくさん出てきて、とても面白い回となりました!
Room1と2に分けてご覧ください!
・・【Room1】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こちらのグループは3名の方と対話を進めていきました。
◆始めにアイスブレイクを兼ねて、皆さんが「幸せを感じる瞬間」を挙げていただきました。
音楽を聴く、ラーメンを食べる、といったものから、家族となにかをしたり共有したりすることといったことが挙げられました。
一方で、今は幸せを感じられないという方もいらっしゃいました。しかしながらコロナの状況でなければ運動と対話が幸せだとお話ししていました。
◆ここでみなさんに「今の幸せは何点か?」を点数化していただきました。幸せを点数化するのは難しいですよね...。以下、皆さんの回答です。
・30点
→自粛生活は幸せじゃない。先行きの見えなさ。運動ができない。30点は生きていることの幸せ。
ゲームなどをすることは楽しい。
でも100点になることはない。ネガティブ思考になってしまう。他人と比べたり。
何が100点の幸せ?
→「○○さんにとっての100点の幸せとは?」
→100点になることはなくて、100点のような幸せを感じてもまた次の100点を見つけてしまう
・40点
→日本に留学に来られたことが幸せ(これで50点)。日本に来て半年、少し帰りたい。
故郷にいる会いたい人に会えない状態。(これがマイナス10)。コロナの理不尽さ。
これが解決されたら90くらい。100点な瞬間はあるけど、いつも100点ではいられない。
・80点
→今まで出張三昧で、家のことを妻に押しつけがちだった。
家族を蔑ろにしがちだったが、この期間で気づけて良かったと感じている。
コロナ前だったら60~70点くらいだと思う。
・60点
→大学の授業も受けられているし、バイトもできるので60点。
娯楽はできないので、このくらいだと思う。
このなかで気になったのは幸せは100点になり得るのか?という議論です。
つい先日、ブログを書いている私もとても嬉しいことがあったのですが、しかしながらその幸せは掴んだ瞬間は100点でもずっと持続することはなく、たしかに感情としては薄まっている気もします。これが「100点な瞬間はあるけど、いつも100点ではいられない。」ということなのでしょう。
◆今度は視点を変えて「不幸を感じる瞬間」について皆さんにあげていただきました。対極の状態を考えると、逆に幸せについての考察が得られるかもしれませんね...!以下、皆さんの回答です。
・病気になること
・「いつ会える?」と聞かれること
→なんとも答えられない。自分もどうすることもできない無力さ?
・満たされていない感を突如感じる時
・締め切りに追われる時
・朝から夜までパソコンの前に張り付いていたとき
・パワハラを受けていた時(人に必要とされていないと感じる)
←逆にこれよりキツいことはないと思う(不幸の最大値)
ここで気になったのは「不幸の最大値」という考え方です。これは、人間は最大限の不幸を味わったとき、これ以上の不幸はないだろうと感じ、次は少しの幸せでも大きな幸せに感じるのではないか?ということです。Room2のほうでも幸せのハードルを下げると、幸福感は増すのでは?という話があったそうですが、こちらはそれが強制的に行われているといった感じでしょうか。
不幸と幸は常に隣り合わせの関係であり、不幸によって幸せの感じ方が変化するというのはとても興味深い話です。
◆最後にこれまでの話を総合して、みなさんに「幸せになるための要素」について考えていただきました。以下、皆さんの回答です。
・人に必要とされること
・不幸の最大値を知ること
・欲を満たすこと
ex)甘いものを食べると瞬間的に幸福→少し後に後悔
→一瞬の幸福を得て失う
→幸不幸には波がある。今が不幸なら、そのうち良いことがあるかもしれない。
・幸せだと感じていること
→幸せの方向にアンテナを張っていると小さな事でも幸せを感じる
(楽観的な人は幸せをずっと感じられるし、ネガティブならそのようになる)
「不幸を感じる瞬間にその先の幸せを見越す」という考え方はとても新鮮に感じましたし、幸か不幸かを捉えるのは己の心次第ということで「幸せだと感じる心の持ちよう」が幸せを引き寄せるという考え方も素晴らしいなと感じました!
皆さんも自分の中の「幸せ観」について改めて考えてみると、幸せをたぐり寄せるのが上手になるかもしれませんね!
参加していただいた皆さん、たくさんのお話ありがとうございました。またのご参加をお待ちしております!!
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・・【Room2】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このルームでは、3名の皆さんと1時間を過ごしました。
はじめにアイスブレイクを兼ねて、皆さんが幸せだと感じる場面を挙げてもらったところ、スポーツできつい練習をした後、自分にないものを手に入れたとき、好きな人と一緒にいるとき、などがありました。
次に、なぜそれを幸せだと感じるのかを聞き、ひとりひとり思い描いている幸せの考え方を説明してもらいました。
「他人が自分の中に入ってきて感情に刺激を与える。それが度を越えて圧し潰される感覚に陥ったとき、うつ的な苦しみを感じて、何とかして解消しようと『幸せ』という言葉を吐き出す。」
→苦しみだけで終わってしまうのか、上手く言葉にして吐き出せるのかは制御できない感情によって変わるということでしたが、この「言葉にならない分岐点」が一体何なのかがとても気になりました。
「好きなパンを手に取るときは幸せを感じるけど、食べ終わる頃には満たされているので幸せを感じない。幸せだと感じる直前が一番幸せで、そこに変化がなければ時間の経過とともに不幸の割合(満腹と飽き)が増加していくのではないか。」
→これは満足度メーターが100%あるとして、満足度49%くらいが一番幸せで、50%を越えると飽きや不幸が増えてしまうという考えでした。「付き合う前が一番幸せ」ということはそういう意味なのでしょうか…。
この問いのまとめとして幸せを別な言葉に言い換えると、生きる喜び、満足感、自己肯定感と承認欲求などが挙がりました。
この承認欲求の話のなかで出てきた「誰も自分には話しかけてこないだろうと思っているときに誰かから声をかけられると幸せになる」という例では、自己卑下をして事前に期待値を下げておく(=不幸値を上げておく)ことで不幸と幸の差を操作的に作り出すこともできそうだと分かり、とても興味深いエピソードでした。
そこでふと、「1人で成立する幸せ」と「誰かがいることで成立する幸せ」の2つのタイプの幸せのかたちがあるのではないかと疑問を持ち、後半はこのことについて考えを深めていくことにしました。
まず、この「誰か」にも自分と関係のある人と関係のない人に分かれて、前者の人から刺激を受けると成立しそうだ、という発言がありました。例えばテストで100点を取ったとき、家族や友達から褒められたときは嬉しいけど、クラスメイトや仲が良いとは言えない人から褒められても何も響かないといったように。
また、その幸せは本当に自分の幸せなのかを問う必要があるという発言もありました。ある食べ物が美味しいという感情は幸せに結び付くが、なぜ食べ物を美味しく感じるのかを考えたとき、それは例えば家族と一緒に食べたときに家族が美味しいと言ったから自分もそう思えるのかもしれない。テレビで美味しいと誰かが言ったから自分もそう思えるのかもしれない。そうすると、「幸せだ」と感じるのは、その人自身の幸せというわけではなく、その人の家族や周囲の人との経験や彼らからの影響によって「そう言わされているだけ」だ、というのです。
あくまで幸せは誰かと一緒に過ごした過去から与えられた感情。そう考えると、私たちは他人が全く関係しない状態で幸せを感じることはないのでしょうか。
この答えの一つは、幸せを導いている様々な感情(形容詞)が本当にそうなのかを問うことによって判断できるのではないか、ということでした。私は、母親と全く同じレシピで同じ料理を作っても、1人で食べるときと家族と食べるときとでは美味しさが違うという体験をしたことがあります。それを振り返ると、私の幸せの源は食べ物の美味しさにあったのではなく、家族と食卓を囲むことにあったのかもしれません。あるいは、その美味しさは自分の腹の底から出てきたものではなく、家族が美味しい美味しいと言ってきた発言を真に受けて美味しいものだと勝手に思い込んでいただけなのかもしれません。私たちが本当に感じている幸せの源が一体どこから来ているのかを振り返ることのできる人は、その場に自分1人しかいなくとも幸せを感じることはできるのではないか、という話でした。
今回は、皆さんが思う幸せのモデルや仕組みについて、色々と紐解いていきました。
今後の生活にこの考え方をどう生かすことができそうか、ぜひ考えてみてください!
ご参加いただき、ありがとうございました!
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