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【第58回】挫折したことってある?

  • 高野晴来、須田華
  • 2020年11月13日
  • 読了時間: 5分

更新日:2021年6月22日

 11月13日に今年度第13回目のかんがえるソファを実施しました!今回は7名の方にご参加いただきました。

 今回のテーマは「挫折したことってある?」です。

 まずは皆さんに、挫折した経験やそれがどう今に活きているか?といった話を聞かせていただきました。「受験のときに理数系の科目や英語ができずに諦めた」「定期テストは良いのに外部模試ができなくて悩んだ」「毎年金賞を取っていた部活だったのに自分たちの代では銀賞になってしまった」「肘を故障して野球を断念した」などなど、みなさん様々なエピソードがありましたが、共通することとして「どうしようもないこと、あるいは凄い人の存在によって諦めざるを得なかった(もしくは叶わなかった)」というものがありました。

 ところで「挫折」に似た言葉のなかに「失敗」があると思いますが、この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。参加者の方からは、「がむしゃらに頑張っているのにできない、理由がわからないのが挫折で、原因と対策の仕方が分かっているのであれば単に失敗といえるのではないか」という意見が出ました。つまり理由が分かっている「失敗」は区切りをつけて次に生かせるのに対し、理由が分かっていない「挫折」というものは次に生かすこともできないし、自分のなかで消化もできていないということですね。

 このように考えてみると「挫折」は原因がわかることで「失敗」に昇華されるということになり、挫折と失敗は本質的に同じなのではないか?という次の問いが生まれます。これに対しては、「本当にどうしようもない人知を超えたものによって諦めざるをえないこと。どう努力しても叶わないもの=挫折ではないか?」という意見がでました。

 つまり挫折といっても、失敗に昇華できる「挫折(≒失敗)」と、どうしようもない力による「挫折(≠失敗)」の2種類があるのではないかということです。

 このように考えてみると

   挫折:なぜなのか分からない、どうしようもない力によるもの

   失敗:教訓などで消化(昇華)できるもの

というように定義することができそうです。

 続いて、ほんの一部ではありますが、対話を終えた後の皆さんの感想を紹介させていただきます。

「人生の矢印(つまり方向性)が何かによって折り曲げられることが"挫折"。つまり努力したり、人生の方向を決めようとしていないとなんとも思わないのかもしれないと思った。」

「思い描く人生像が叶わない と分かったとき、新しい人生像を描き出せればそれは教訓となり、描き出せなければ挫折となるのかもしれない。」

「挫折というのは人知を超えた存在によるもので、この挫折を語り継いでいく、もしくは長い人生のなかで反芻していくことで意味の分からなかったものに意味が生じてくる。これを何度も繰り返していくことで、かつて叶わなかったものは昇華・消化できるのではないか。そしてこのサイクルを繰り返すことこそが人生なのかもしれない。」

 みなさん今回もご参加ありがとうございました。次回もお待ちしております!

 

ファシリテーター振り返り(担当:高野)

今回のファシリテーターを務めた高野です.司会の立場から本日の対話を赤裸々に振り返っていきます!

考えるソファは議論ではなく対話の場です.人それぞれの視点や価値観から生まれた言葉に触れあうことで新しい気付きを持ち帰ることが目的です.したがって,意見を一つに収束させるのではなく,様々な言葉から新しい言葉を生み出す抽象化がファシリテーターの役割として求められます.対話を円滑に進めるため,ファシリテーターは議論の流れを予測して考えを深めるための質問を用意しています.今回は次の7つを事前に用意していました.

※冒頭に☆がついているものが今回実際に投げかけた問いかけです.

☆Q1.諦めたエピソード / 挫折した話 ☆Q2.失敗と挫折は同じ? Q3.挫折って本当に悪いこと? Q4.挫折したときはどんな気分だった? Q5.諦めたときはどんな気分だった? ☆Q6.諦めには内的要因と外的要因があるのではないか? Q7.乗り越えられる挫折って本当に挫折かな?

考えるソファでの話題は,初めは参加者の経験に基づくため具体的ですが,徐々に抽象化していきます.様々な発言の意味を理解する上でこの質問達には随分と助けられました. 対話終了後,参加者から「様々な意見から共通点を見つけてわかりやすく説明してくれた」とフィードバックをいただけたことはとても嬉しかったです.やっぱり事前準備って大事ですね.

一方で反省もあります.各参加者が挫折経験を持つことを前提に話を進めてしまったため,「自分は挫折した経験がない」方が積極的に対話に参加できない状況が生まれてしまいました.Q3とQ7は挫折したことが無い人がいたときのために用意した問いですが,実際にフォローすることができませんでした. 議論の主題と異なる考えを持つ人は,一歩引いた視点から議論を眺めることができます.今後は「何が他の人の考えとの差異を生んでいるのだろう?」と問いを投げかけることで考えを深めるきっかけを作りたいと思います.

今回のテーマで私自身も様々な考え方を知り,「挫折」を考えることができました.考えるソファに参加する度に「今回参加してくれた人たちは違うテーマだとどんな事を言うだろう?」といつもワクワクします.ぜひ,今度は違う一面を教えてください!またのご参加をお待ちしております!!

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