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【第64回】あなたは大人ですか?

  • 執筆者の写真: kikaku SLA
    kikaku SLA
  • 2020年12月22日
  • 読了時間: 5分

更新日:2021年6月22日


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「自分自身を大人だと思いますか?」

法律では18歳以上が成年として扱われます。では、18歳になったら大人でしょうか?

成人式に行ったら大人?

お酒を飲んだら大人?

「大人っぽい」ことが大人?

お金を自分で稼いだら大人?

学校を卒業したら大人?

大人っぽい、子どもっぽい、大人気ない、学生、社会人…

それは本当に「大人」ですか?


アイスブレイク


 アイスブレイクでは、参加者の皆さんに「名前、学科、専攻、趣味」と「自分にとっての大人のイメージ」を聞きました。皆さんの大人のイメージは様々で、以下のような答えが返ってきました。


・自律していて、自分から行動する人が大人だと思う。

・初めてアルバイトをしてお金をもらったとき、自分を大人だと感じた。

・幅広い知識、経験を持っていて、それを活かせる人が大人だと思う。

・やるべきことをやる人、何かが突出している人が大人だと思う。

・冷静な人を見ると大人だと思う。

・愚痴をいわない、自己管理ができる人が大人だと思う。

・点字ブロックに固まった雪をとっているおじさんがいて、それを見てなんて慈愛に満ちた大人なんだろうと思った。

・自分より知識を持っている人が大人だと思う。


他者との関係、共同体との関係から大人を考察する


アイスブレイクで聞いた「大人のイメージ」から、「大人」に関するキーワードとして「自立、他者との関係、知識を活かせること、突出、性格」が挙げられるのではという提案が、ファシリテーターからありました。そこで、ある参加者から「他者との関係をどうすることが大人なんでしょうか?」という質問が出ます。これに対する皆さんの答えとして、次のものが出てきました。


・部活で後輩に過干渉して失敗だったと思う。過干渉したのは他者のためではなく、本当は自分のためだった。そういう意味では自分は子供だった。

・過度な干渉はどの観点から見るかによる。大人はその観点を総合的に判断して行動できるのだと思う。

・過干渉は立場ではなく目的によるのでは?

・立場によって目的は様々。自分の立場をさだめて行動することが大人なのではないか?

・他者のために動けるのが大人なのではないか?

・他者が必要とする範囲で動ける人が大人だと思う。


これまでは、他者との関係の中で大人であるとはどういうことかについて考えてきました。ここで、「共同体との関係の中で大人である」とはどういうことかについても意見が出てきました。


・ロングスパンで共同体に利益をもたらせる人が大人だと思う。

・共同体の寿命に大人の行動は影響するのでは?

・本当の大人は一緒に考えようという思考になる。なぜならば自分が未熟であることを知っているから。

・経験からいろんな引き出しを持っている人が大人なのではないか?

・答えがある状況で一緒に考えて答えを出すこと。これは、一番教育的には有意義で、大人であると思う。

・大人であるという概念は年齢で区別されるべきでない。他者との相対的な人間関係で判断されるべき。


参加者方の振り返り


「自分にとっての大人」とはどういうものなのか。参加者の方々に今日の会を振り返って答えてもらいました。参加者方の答えは以下のようなものでした。


・人から大人にみられる人が大人だと思う。

・自分にとって足りないものは余力。それを身につけた瞬間自分は大人になれると思った。

・人からどう見られるかが大人であることにとって重要。何でもできる人が大人にみられると思う。

・自分が大人だと思ってる人は大人じゃないと思う。

・共同体の利益に貢献できる人が大人だと思う。


まとめ


本日の会は、「他者との関係」、そして「共同体との関係」から大人であるとはどういうことなのか考えていきました。他者との関係から大人について考えた結果、「干渉しすぎずに丁度良い距離感を保って、一緒に問題解決をしようとする経験豊かな人」が大人であるという考えに至り、共同体との関係から大人であるということについて考えた結果、「共同体の利益に貢献できる人」が大人であるという考えに至りました。さらに、大人というと年齢が大きく関係していると思いがちですが、それは間違いで、他者との相対的な人間関係から大人であるかどうか判断すべきであるという声もありました。



ファシリテーターの振り返り

「やっちまった…」

今回の感想はこの一言に尽きます.時間内で参加者の皆さんの考えをもっと深めることができたはずなのに!と悔しく感じています.ファシリテーターとしての思考の軌跡を辿り,現時点での反省を記します.


アイスブレイクで5名の参加者に「こんな人を大人っぽいと感じた」経験を話してもらった後,私はそれらの経験から特徴と共通点を抽出し,共有しました.そして,「確かにそんな風に分類可能かも.それで?」と話が止まり,考えを広がらなくなってしまいました.

主な反省は2つ.

① 大人に対するイメージが十分広がっていない状況で考えをまとめ始めたこと

② 自由に考えを言える雰囲気を作れなかったこと

①は話が進まなくなった直接的な原因です.考えるソファのファシリテーターは基本的に,アイデアを発散させた後に話題を収束させることでテーマが抱える多様な本質の内1つに近づくことができるよう話を運びます.語られたイメージへの問いかけや,新たな別視点の質問をもう1つ投げかけることが,アイデアやイメージを広げることにつながったのではないかと考えています.

②は間接的ですが,大きな要素だと思います.「話が煮詰まる→沈黙を防ぐためにファシリテーターが高頻度で発言→参加者が話に入りづらくなる→ファシリテーターが焦って更に発言」という負の連鎖が起きてしまいました.(対話の運営スキルという点はもちろんですが,)硬すぎない口調や表情,開始前のフランクな雑談などを通じて「ファシリテーターという立場への遠慮」を低減できるよう工夫していきたいと思います.


最終的には,参加者の皆さんの協力のお陰で「他者との関係性」という観点から大人を考えることができました.しかし,ファシリテーターとしてより密度のある対話を築くことができたはずだと痛感もしています.参加者の皆さんが「参加してよかった」と思えるように努めて参りますので,今後ともどうぞよろしくお願いします.


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