【第67回】平和ってなんだろう?
- 渡辺楓、高野晴来
- 2021年1月19日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年6月22日
議論の軌跡
1月19日の考えるソファには6名の方にご参加いただきました!うち1名はカメラオフの聴講という形でしたが、全く問題ありません!「聞くだけ参加」も全然OKです。どなたでもお気軽にお申し込みください。
さて、今回のテーマは「平和って何だろう?」です。天気の良い日に歩いていると「平和だなぁ」と感じることはありませんか?しかし、一度立ち止まって考えると、本当に今は「平和」なのでしょうか。例えば、新型コロナウイルスの影響で私たちの生活が制限されている中で、私たちの日常は「平和」といっていいのでしょうか…?
今回は「平和」をテーマに考えを広げ、深めていきました。それでは対話を振り返ります。
本日のメンバー自己紹介が終わり雰囲気も打ち解けてきた頃、ファシリテーターから質問が投げられました。
「普段の生活で平和だと感じたことはありますか?あるとすればどんなときですか?」
皆さんの経験を一部共有します。
・被爆者である祖父の話を聞いたとき、日常が平和であると感じた。
・東北出身で、東日本大震災のとき、自分は内陸に住んでいたため被害はなかった。しかし、沿岸側の人が大変な暮らしをしているのをテレビで見て自分は平和なのだと感じた。また、同時に申し訳なさも感じた。
・日々悩みは尽きないが、逆に「こんなことを悩めるのは平和の証」だと思う。でも悩んでいる時は「生きている」という奇跡のような前提を忘れてしまいがち。
様々な経験が共有されたことで、平和には3つの要素が影響しそうだとわかりました。
①自分の豊かさ(自分が物質的・精神的に満たされていること)
②周りの人(自分だけでなく周りの人も同様に満たされていること)
③周囲を取り巻く環境(貧困や差別がある環境では「心の豊かさ」を高めるのは難しそう)
その後、③周囲を取り巻く環境 の「周囲」があらわすのはどこまでの範囲なのか?と新たな問いかけが生まれました。人は成長するたびに関わる人が増え、目にする世界が広がるからです。私たちはSNSで世界中の人と繋がれるようになりました。そのような現在、地球全土での争いが消えなければ平和ということはできないのでしょうか?
参加者の方は、この問いかけに対して次の答えを返しました。
・自分が影響を与えることができるのはどこまでなのか考えること。そのために自分を知ることが大事だと思う
・戦争のように解決が非常に難しい問題を考えるのは敢えて止めて自分の視野に入れないようにしている。しかし、自分の手の届く範囲で「平和」を実現できるよう努めている。
・自分が属する社会(コミュニティ)だけでなく、自分の近くにある異なるコミュニティに働きかけることで平和が実現できると思う
一旦スケールが非常に大きくなりましたが、最終的には「自分がこれからどうするか」に立ち戻りました。
参加者各々にとっての「平和とは何か」今考えていることを最後に話してもらいました。
・平和とは「自分がつくるもの」。自分から作っていこうと思います。
・平和は自分を中心に考えるもの。どこまでを自分の平和とするかは自分次第。
・平和とは、自分の心が穏やかであること。発言や行動を互いに許容し合える状態から穏やかな心が作られそう。
・銀河鉄道の夜を読んでください!私の言いたいことはここに書いてあります!
・自分に見える範囲の人に自分の幸せを分け与えることが平和につながると思う。
千里の道も一歩から。自分の周りにいる人を幸せにすることが、より大規模な平和へとつながるのではないでしょうか
ファシリの反省文
1月19日のかんがえるソファでファシリテーターを務めた渡辺 楓です。今回の会を振り返って、ファシリテーターとしてよかった点と改善すべき点を述べていこうと思います。
良かった点は2点ほどあります。まず1つ目は、安定感をもってファシリテーションをできたということです。私自身緊張するとテンパってしまい、ファシリテーションに集中できなくなるということが度々ありました。しかし、今回は緊張していたにもかかわらず、落ち着いて司会をすることができました。もう一つの良かった点は、これも安定感に起因することだと思うのですが、かんがえるソファを自分自身思う存分楽しめたということです。これまでは、へまをしてしまわないようにと、どこか怯えながらファシリテーションをしていたように思えます。ですが今回は、ファシリテーションによく集中できたため、参加者方から出てくる意見の面白さや、思考が深まっていくということの楽しさに気づくことができました。
次に改善すべき点ですが、これも2点ほどあります。まず一つ目は、ある話題について考えが深まりきっていないのに、関連する別な話題へ急に話を転換してしまい、自然な対話を壊してしまうという場面があったということです。意見や考えを積み上げていく「対話」では、話の自然な流れが大切です。もし自然な流れが崩れてしまったら、積み上げ型の「対話」というより、「雑談」といったものに近くなってしまいます。今後のかんがえるソファでは、話題転換をする際、自然な対話を崩さないよう工夫したいと思います。もう一つの改善すべき点は、他者の意見を丁寧に扱っていないときがあったということです。参加者の方からいろいろな意見が出てきますが、ファシリテーターはその中で話題の取捨選択を行わなければなりません。しかし、出てきた意見を切り捨ててしまうと、参加者の方にとっては無視されたと感じることになるでしょう。そのため、話題の取捨選択は自然な対話の流れの上で行われていくべきで、ファシリテーターが「出てきた意見のなかでこの話題について話ましょう。」とするのは間違っていると思います。この問題を解決するためにも、やはり「自然な対話」を意識して今後はファシリテーションをしたいと思います。
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